天神学園の問題児再来
「決闘?」

ヴラドの隈のできた目。

その目が微かに細まる。

「一教師が、何故この俺に決闘を申し込む?」

「えっ、そ、それは…」

そんなもん、勢いに任せて押し切っちゃえばいいものを、真面目なリプニーは返答に詰まる。

「天神学園を脅かす吸血鬼…と言ったな。仮にそうだとして、何故貴様が俺を仕留めようとする?一介の教師が、近所のお節介のように俺を倒すのか?新任教師に過ぎない貴様が…不自然な話だな」

「あうっ、えっと…その…っ」

まるでリプニーが身分を偽っている事を見透かしているかのような言い草。

いや、ヴラドは上位の吸血鬼だ。

もしかしたら読心術や人間離れした聴覚を以って、リプニーの正体がエージェントである事を知っているのかもしれない。

知った上で、リプニーを言葉で揺さぶっているのだとしたら。

ヴラドも人が悪い。

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