天神学園の問題児再来
「あんまり根を詰めたら駄目だよぉ」

相変わらず同門の龍馬をほったらかしで、真太郎に付き纏っている紫陽花が言う。

「少し休憩しよ?ヴィラに戻ろうよ」

「紫陽花は」

ドスンと。

真太郎は近くにあった岩に腰掛けた。

「龍馬の事が心配ではないのか。柾の門下生だぞ」

「そりゃあ心配だけどぉ…」

顎に人差し指を当てる紫陽花。

「別にほったらかしって訳じゃないんだよ。ちゃんとお父さんに、陸奥守が折れた事は連絡してあるもん。お父さんが、手を打ってくれるって言ってたから。だから後は、私達は見守っててあげるしかないんだよ」

「…本当だな」

真太郎の言葉に、大きく頷く紫陽花。

ならばその言葉、信じよう。

そして龍馬の事も信じよう。

戦友が、このような躓きで、そのまま道を閉ざすなどという事のないように。

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