天神学園の問題児再来
「六花!」

紗雪は素早く氷刀を顕現させる。

母・雪菜が愛用していた、氷の守り刀・六花。

母から譲り受けたこの刀で、紗雪は父・防人の手解きを受けて練習した。

雪女の一族の中では、1、2を争うほどの使い手となれた。

とはいえ、雪女はそもそも接近戦に向いた能力の持ち主ではないし、父の防人も、然程剣術に優れていた訳ではない。

使い手とはいえ、剣術で勝負すれば、紗雪はそれ程の強さは発揮できない。

そんな紗雪に。

「こいつがマンイーター」

ヴラドは1挺の白銀の自動拳銃を見せる。

「そしてこいつがソウルイーター」

もう1挺。

拳銃は知っている。

人間が作り出した、鉛の弾を撃ち出す絡繰り。

しかし大きい。

天使様が持っている拳銃よりも、遥かに大きい。

「454カスール弾を発射でき、弾丸には『俺の狙ったものにしか命中しない』という呪いと、人外の類も殺傷できるように俺の魔力を込めている。その拳銃で」

ヴラドは銃口を紗雪に向けた。

「これからお前を撃つ」

< 764 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop