天神学園の問題児再来
真太郎のリングサイドには龍馬、紫陽花が、シオンのリングサイドには花龍、リプニー、龍鷺郎、紗雪がついている。

…瑠璃は、少なくとも目の届く範囲にはいない。

どこかでこの試合を見ているだろうが。

「気にするな真太郎。絶対瑠璃先生も見とるきに」

「そうだよ真太郎君、絶対応援してるよぉ」

「…ああ」

真太郎の表情に気負いはない。

冷静な顔で、二刀を腰に立ち上がる。

「シオン、魔力の方は?」

花龍がシオンに話しかける。

「平気だ」

それ以上、何も答えないシオン。

平気な筈はない。

龍鷺郎戦で、あれだけ精霊憑依を繰り返したのだ。

魔力残量は僅かの筈。

「お前が加減せんからじゃ、龍鷺郎の阿呆!シオン先輩が負けたらお前の責任じゃ!」

「俺が負けたのはいいのか、この跳ねっ返り」

口論する2人を。

「静かにして下さいっ!」

珍しくリプニーが叱った。

「シオン君の集中力が乱れます」

「「すみません」」

頭を下げる2人。

「シオン君…」

「平気だ」

もう一度そう答え、シオンもまた立ち上がった。

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