天神学園の問題児再来
リングに上がる両者。

上がる途中。

「っ」

シオンが階段で躓いた。

どよめく観客達。

そんなに魔力の消耗は深刻なのか。

対戦前から、不安が残る。

それでも、両者は開始線の前へ。

「…よくここまで勝ち残ったアル、2人とも」

審判の鬼龍が、2人の労を労う言葉をかける。

それ以上はない。

我が息子だろうが、肩を持つ訳にはいかない。

己が出場したタイマントーナメントでも、審判を務めた母・龍娘はそうだった。

名勝負を裁いて来た母に恥じぬように、自分も。

「それではタイマントーナメント決勝戦…」

鬼龍は公平なジャッジを誓う。

「はじめアル!」

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