天神学園の問題児再来
「臥龍とその子孫が、人間と日本の妖怪を率いて大陸に攻めてくるだと!」

椒図の耳に届く頃には、気持ちがいいくらい歪曲されていた。

聞きたい事しか聞かないし、言いたい事しか言わないのは、人間だけではなく妖怪も同じという事だ。

人間や他の妖怪を見下し、偏見を持つ、彼ら竜生九子ならば猶の事。

「臥龍の奴め、長い間大陸から消えていたと思ったら、すっかり人間や日本の妖怪どもに絆されちまったって訳か。不甲斐ない野郎だ」

椒図は長い蛙の舌で、ベロリと舌なめずりする。

「ちょうどいい。ノコノコ攻め込んできたんなら好都合だ。最近日本の鴉丸とかいう妖怪の一族が幅を利かせてるって話も聞いていたしな」

これを機に、竜生九子が親である臥龍を遥かに超えた妖怪であるという所を見せつけてやるのも、悪くない。

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