天神学園の問題児再来
とにかく広大な土地だ。

鍛錬を繰り返しているシオン一味の面々でも、延々歩き続けるのは堪える。

「こんな土地を漫遊するなんて…龍鷺郎の親父は無尽蔵の体力だな」

シオンが呆れたように言う。

「体力と節操のなさだけは人一倍だからな」

ウンザリしたように言う龍鷺郎。

いえ、強さも人一倍です。

恐らくまだ臥龍の本気は、誰も見た事がないのではなかろうか。

見た事があるとすれば、遥か昔に封印に携わった防人や佐倉の眷属達だけ。

それと…。

「この大陸の人外どもだな。親父は一度はこの大陸を暴れ回り、ほぼ掌握し、結果嫌われ者になって居場所がなくなったんだからな」

「こんな広い大陸を掌握…俄かに信じられんの…」

龍鷺郎の言葉に、紗雪が目を丸くした。

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