天神学園の問題児再来
あまりにも分が悪い戦い。

1対1でさえ、龍鷺郎が勝てるかどうかは怪しいというのに、4対1では。

見る見るうちに、龍鷺郎の体が朱に染まる。

「く…」

ほむらが、手にした燈の柄を握り締める。

何とか助太刀しなければ。

しかし、そんな僅かな意を感じさせただけで。

「!!!!!」

コンマ何秒かの間に、渾沌がほむらと紗雪の前に移動してきた。

龍鷺郎の時凍えもかくや、というほどの高速移動。

「やるのか?」

渾沌がニタリと笑う。

心底震えが来るほどの、悪意を剥き出しにした笑み。

「この四凶を相手に、お前みたいな小娘が喧嘩を売るのか?お前なんぞ一咬みで殺すぞ?」

そう言って。

「げひゃひゃひゃひゃひゃ!」

渾沌は狂ったように笑った。

「痛くて痛くて失禁してしまうほどの苦痛を、お前らに三日三晩味わわせてやるぞ?許しを請うても無視して、永遠と感じるほどの辛苦を与え続けてやるぞ!げひゃひゃひゃひゃひゃ!」

「っ……」

心が折れた。

その邪悪さ、その残忍さに、戦う前から心が折られてしまった。

龍鷺郎は助けてやりたい。

だが悲しいかな、誰しも自分の苦痛と秤にかけると、委縮してしまうものなのだ。

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