きみのためのプレゼント
百六十八センチで女子の中では身長が高いはずの私。でも、藤本くんはそんな私を見下ろす。
身長、高かったんだ。言われてみれば、私、藤本くんのこと何も知らない。
でも、それも入れ替わりがうまくいけば聞けばいいことだし、ダメなら別に聞く必要もないこと。
それよりも早く実行したい。
「俺のことなんてどうでもいいか。じゃあ入れ替わろうか。うまくいくかわからないけれど、願いを込めて」
「願いを口に出せばいいの?」
「そうだね。せっかくだし、手を繋いで願いを口に出して、ここから落ちようか」
藤本くんが私に両手を差し出した。部活一色だった私は、生まれてこの方、彼氏なんていたことはない。
正直、告白されたことはあるけれど、部活以外のことに興味なんてなかった。
だから普通に両手を差し出す、藤本くんの手を取ることはなんだか少しだけ緊張する。
男の子と手をつなぐなんて幼稚園以来かもしれない。
でも、このまま何もしないで明日を迎えたくはない。もう、藤野沙織として生き続けるのは、辛い。
そっと彼の手を取ると、私の両手をギュッと握り返してくれる。
藤本くんの手は、とても温かかった。
身長、高かったんだ。言われてみれば、私、藤本くんのこと何も知らない。
でも、それも入れ替わりがうまくいけば聞けばいいことだし、ダメなら別に聞く必要もないこと。
それよりも早く実行したい。
「俺のことなんてどうでもいいか。じゃあ入れ替わろうか。うまくいくかわからないけれど、願いを込めて」
「願いを口に出せばいいの?」
「そうだね。せっかくだし、手を繋いで願いを口に出して、ここから落ちようか」
藤本くんが私に両手を差し出した。部活一色だった私は、生まれてこの方、彼氏なんていたことはない。
正直、告白されたことはあるけれど、部活以外のことに興味なんてなかった。
だから普通に両手を差し出す、藤本くんの手を取ることはなんだか少しだけ緊張する。
男の子と手をつなぐなんて幼稚園以来かもしれない。
でも、このまま何もしないで明日を迎えたくはない。もう、藤野沙織として生き続けるのは、辛い。
そっと彼の手を取ると、私の両手をギュッと握り返してくれる。
藤本くんの手は、とても温かかった。