俺様上司に、跪いて愛を乞え
首の下に差し入れられた氷枕に、少し落ち着いてきて、

「……さっきは、ごめんなさい……わがまま言って、困らせて……」

熱に浮かされた言動を謝ると、

「……そんなのはいい。……ただ、そんなに辛かったのなら、どうしてもっと早く、俺を頼らなかった……」

そう言われて、握られている手にぎゅっと力を込められた。

「……。……仕事の邪魔になったらって、思って……仕事をしてる時の部長は、だって……」

「ああ…」と、ため息のように、部長が口にする。

「……会社での俺が、冷酷とか言われているのは、知っている……だから、頼りにくかったのか?」

「だって、もう、部長の仕事に迷惑かけたりとか、したくなかったから……」

私の手を包む拳に、部長が唇で触れる。

「…頼れば、いいだろ。辛い時ぐらい……俺は、冷たいとか俺様だとかよく言われているが、

それは、そいつにとって怒るのも必然だと思ってるからで、理不尽に怒ってるわけじゃない……」
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