俺様上司に、跪いて愛を乞え
「なんで、こんなこと……」

助手席に仕方なく乗り込んで、呟く。

「濡れてたから、乗せてやっただけだ。他にどんな理由がある…」

部長の答えに、悔しいと思う自分がいた。この人には、どんなに望んだって、そばに寄ることさえも許されない。

ハンドルを握り、部長がアクセルを踏み込んだ。

降りしきる雨の中を、車が水しぶきを上げて走り出したーー。
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