腹黒エリートが甘くてズルいんです
「貝島商事かな? でも、出光先輩顔広いからなー、もしかして今をときめく南川物流だったりして!! どうする? 凄い人気らしいよ、株価もぐいぐい上がってきてるし」


株価チェックまでしているのか、と内心おののきつつも、上げ止まらない由依のテンションをなんとかして抑えたく、水を差すようなことを言ってみる。


「そんな大物とも限らないじゃん……出光先輩、前会社の直近のコンビニのお姉ちゃん達とも飲んだって言ってたし」


「バカねぇ、あたしは莉緒のメンタル回復の為に大手とやるときは呼んでくださいって言ってあるの! そんじょそこらの会合とは訳が違うの! まーねー、条件で言えばそりゃあ最大手の松永物産がいいけど、それはさすがに無理だしね」


ぺろっと舌を出して肩をすくめる由依はとてもじゃないけどあたしと同じ34歳には見えない。
神様ってば不公平、と思うのはこんなとき。


由依は神様に『人より秀でた美貌とかわいらしさ』を与えられたとして、それじゃ不公平だからとあたしに与えられたのが『人より秀でた丈夫な胃腸』とかなんだとしたら、あたし、かわいそうすぎる。
いや、健康も大切だけれども。
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