腹黒エリートが甘くてズルいんです
この男子達の会社名を、なぜもっと早く聞き出さなかったのか……って、そんなガツガツしてるみたいな真似、出来るわけがない。


さっきの先輩の謝罪からも分かるように、あたしの聞き間違いなんかじゃなくて、菅生さんともう一人の人は松永物産だ。(俺達同じ会社で部署が違う、みたいな話をしていた気がする)


……てことは、ほら、やっぱり。


酒井くんと、知り合いだったり、する……? いや、それどころじゃない。もしかしたら同期だとか同じ部署だとか、まさか飲み友だ……


「おーくーれーまーしーたっ」


さっきの出光先輩よりも更に慌ただしく、バタバタと音を響かせながら、個室に人の入ってくる気配。
その騒がしさに、あたしの不穏な思考が一時途切れる。


「あっありがとう、どうもね、はーい」

案内してくれたお姉さんに手を振りながらお礼を言うその後ろ姿、その声……。


釘付けになりながら、自分の身体が固まるのがわかる。


嫌な予感は、よく当たる。
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