腹黒エリートが甘くてズルいんです
言い訳めいて聞こえるかもしれないけど、本当なのだから仕方がない。


「合コン、彼女に自分で申し込めばいいんじゃないですか? その、先輩の巧みな営業トークなら余裕ですよ。受付嬢なら喋るチャンスも、滅茶苦茶あるじゃないですか」


あたしの言葉を聞いて更にうなだれる先輩。


「んなもん、とっくに、遠回しに聞いたよ、飲み会とか嫌いなんだって、そりゃそうだよなぁ、お嬢様っぽいもん」


自慢なんだか愚痴なんだか分からない内容をグダグダ語られても困るんですけど。
『合コン? 行く行く! 毎週やってるし!』みたいなノリの返答だったらそれはそれで嫌なくせに……勝手なんだよね、大体。


告白されるかも?! と勘違いした恥ずかしさを、先輩を脳内で罵り倒すことでどうにかごまかす哀れなあたし。

でも、脳内で済んでいるだけまだ理性が働いているということで一つ。


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