腹黒エリートが甘くてズルいんです
お前もお前だよ!!
『莉緒っち』ってなんだよ。学生かっつーの!職場の後輩なんだからフツーに『仲田さん』とか『仲田』って呼んでよね、紛らわしい!!

て言うかそもそも何この会議室。
会議室は会議もしくは大事な告白に使う、そして軽く押し倒す系の場合のみ活きてくるってセオリーを知らないの? バカ!!


あたしは、全く悪くない出光先輩を、諸々の思いを込めて見るのが精一杯で。


「……えーと、由依からどんな風に伝わっているのか分かりませんが、あたしは全くパイプとして機能出来ません」


先輩ががっかりしているのが空気で伝わる。


「俺にとっては唯一の彼女との接点、頼みの綱なのにお前って奴は、ばっさりいくねー鬼か」


いくら言われても仕方ない。でも、鬼だと思われるのも嫌なので、詳細を説明することにした。


「結婚したのは、10年以上も前に地元のコンビニでバイトが一緒だっただけの子で、仲良くないんです。お相手も、あたし達より大分歳上だったので、本社のかわいこちゃんと接点があるとは思えないし……」
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