腹黒エリートが甘くてズルいんです
「ねー、俺このフレッシュチーズとサーモンのカナッペってやつ、食べていい? あとー、あ、こっちも美味そう。仲田、甘いの好きだよね? やばくない? このショコラタルトみたいなやつ!」


あたしの葛藤など知るよしもなく、酒井君が楽しそうにビアガを満喫している。
確かにここはビアガにしてはおつまみが充実しているので、楽しくなる気持ちも分かる。


「あ、もしかして飲み会とかで積極的に『何食べるー?』とか聞いた方がいいのかなー。気遣いっていうかさー」


ちょっとは今後のあたしのためになりそうな事を聞いてみる。


「いや、いーんじゃねー?『お母さん』とかあだ名つけられちゃうぜ?」


う。あり得る。


「変な甘え上手なピチピチの女に、『仲田先輩ってほんとに頼れるんですよねぇ! いつも気が利くし!』とか、一見誉めているようで落としまくった事言われるぞ、それ」


「え、なんでよ、誉めてくれてるじゃん」


30代になってから合コンに殆ど行っていないとは言え、社内の飲み会等は参加するから、よくそういう場面に当たることを思い出す。

うんうん、気が利くとか言われるよ、あたし。
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