腹黒エリートが甘くてズルいんです
「フツーさ、少人数で飲んでもつまみとか大して頼めないじゃん? でも、何かお前モリモリ食べるから次々気になるの頼めるもんなー。次何食べる? これ気にならねぇ? スパイシー骨付きチキン! 油ぎっとぎとだぜ、絶対!」


いやいやいやちょっとお兄さん。
それ、全然嬉しくないから。


「ねぇそれさ、褒めてないよね?」


じとっと睨み付けながら言えば、酒井君が嬉しそうに笑う。


「なんだ、分かるんじゃん、この程度の嫌味なら」


くそー。やっぱりバカにしてたか。
そうは思いつつも、もりもり食べちゃってるのは事実だから、あまり強く出られない。

それに、あたしは今、今後幸せになるための特訓をしているわけだから。


「ねぇ、やっぱり、男子と同じペースで食べてちゃ引かれるよねぇ?」


「いや……時と場合によるんじゃねー?」


何その都合のいい言葉!! その、『時と場合』の、ニュアンスが分からないから困ってるんだっつーの!!
そこのさじ加減が分かって、使い分けているのなら、とっくに結婚してるっつーの!!
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