腹黒エリートが甘くてズルいんです
そう。きっと居るであろう『松永物産にいる若いピチピチの将来有望なエリート達』ではなく、新郎は自分の同僚達を多数招待していたのだ。


さすがの大企業、仕事にかまけて婚期を逃した中年男性がごろごろしているらしい。
そして、その輪の中から一歩抜け出した新郎は、せめてもの罪滅ぼしに、男からすれば『こいついい奴なのに何故か彼女出来ねーんだよ』的なキャラの自分の独身の同僚達を、それこそ合コン的な意味合いで呼んだのだろう。
(あたしのテーブルはほぼ既婚者だけどね)

面白味の無い結婚式場が、何故昭和の香りがするのか分かった。
出席者の平均年齢が高めなのだ。

親族席のみならず、友人席も、頭髪の寂しい方やお腹のぽっこり出た方が多く、なんと言うか……はつらつとした感じがしない。


この状況で一体どうしろと??

この、脂ぎったサラリーマンの中から、ときめきを見つけ出せと??

無理無理無理。
だったら、一生独身で結構。
自分の力で稼ぎ、自分の為に時間とお金を使い、そしてひっそりと死んでいきます。
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