腹黒エリートが甘くてズルいんです
「何か勘違いしてるだろ? 今からするのは、ちゃんと仕事の話だぞ」


確かに前回と違って、そのままあたしのデスクのところで話をしようとしている。


「……なんでしょう?」


手元の資料を重ねて揃える、というあからさまに片手間なスタイルのまま、聞いてみる。先輩の恋路を手伝う飲み会関係の話であれば即刻シャットアウトする構え。


「今日の午後、空くようなら……「無理です」


あれですか? 一昔前によく聞いた、ランチ合コンみたいなやつですか?断る!!! 断固断る!!!


あたしの確固たる信念を前に先輩も諦めるだろう……と思いきや、笑い出す始末。


「だははは、だーかーら、違うっつーの。午後、こじか保育園に行ってきてくれない?」


……あれ? こじか保育園?
びっしびしに張っていた警戒を少し緩めて、改めて先輩を見る。
別に、ふざけたり騙そうとしている感じではないみたい。


「……どうかしたんですか?」


「それがさー、午後イチでこじか保育園に入れてあるコピー機の部品交換と点検頼まれてて。でも、車屋さん、ほら、中古車の……ミツワ、ミツワさんとこの約束と被っちゃって」
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