感染学校~死のウイルス~
☆☆☆

「田井先生ってさすがだよね」


朝食に配られたカンパンをかじりながら空音が言った。


「うん。生徒たちを上手にまとめてくれるよね」


あたしはそう返事をした。


朝起きた時はどうなるかと思ったが、今はみんな落ち着いているように見える。


アラタ先輩だけはまだイライラしている様子だけれど、それを周囲にまき散らすようなこともなかった。


田井先生は今体育館にいる先生の中では一番貫禄がある先生だ。


小柄で優しげな顔をしているが、生徒のまとめ方は誰よりも上手かもしれない。


カンパンをいち早く食べ終えたアラタ先輩が立ち上がって、体育館の出口へと向かって行く姿が見えた。


「おい、どこに行くんだよ」


声をかけたのはやっぱり祐矢先輩だった。


「トイレだ」


短く答えて体育館を出て行くアラタ先輩。


祐矢先輩はすぐにその後を追いかけた。


「あの2人、どこに行ったのかな?」


空音が不安そうな表情でそう言った。


ただのトイレではなさそうだ。
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