感染学校~死のウイルス~
☆☆☆

5月14日。


学校に監禁状態になって2日目。


色々な事が起こったのにまだ2人しか経過していないというのが、驚きだった。


スマホの受電はまだ80%ほど残っている。


時間を確認する以外に使っていないし、不必要な時には電源を落としているからだ。


必要な機能は何も使えない状態でも、受電があるということに安心感があった。


「愛莉、昨日はありがとう」


空音にそう言われてあたしは「え?」と、聞き返した。


「ほら、寝る時に楽しい話をしてくれたでしょ」


「あぁ、うん。でもあれは失敗だったよね」


「どうして?」


空音は首を傾げてそう言った。


「だって、食べ物の話はお腹すくんだもん」


あたしがそう言うと、空音は声を出して笑った。


あたしはそれにつられて笑う。


あたしたちはまだこうして笑う事ができる。


まだ、大丈夫だと思う事ができる。


「先生、赤川先輩と田村先輩は?」


祐矢先輩のそんな声が聞こえてきて、あたしと空音は視線を移動させた。
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