感染学校~死のウイルス~
目が覚めればいつも通り自分の部屋があって、変な夢だったなぁって呟くような。


そんな気がしている。


「あたし、見たの……」


近くに座っていた女子生徒が不意にそう話しかけて来た。


その女子生徒はさっきからずっと震えていて、隣に座っている男子生徒に寄り掛かっていた。


「見たって何を?」


あたしはそう聞き返す。


「職員室の……中を……」


彼女はそう言い、自分の膝をきつく抱きしめた。


「大丈夫だよ、友菜(ユウナ)」


隣にいる男子生徒がそう言い、彼女の体を抱きしめた。


男子生徒の目は強さと優しさを兼ね備えていて、それは友菜と呼ばれたその子への気持ちが表れているようだった。
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