感染学校~死のウイルス~
予感はきっと誰にでもある。


そして嫌な予感ほど的中してしまうものだということも、誰もが知っているだろう。


「そういう事だと思うわよ」


トイレを探し終えてあたしと森本先生は廊下へと出てきていた。


「誰もいませんね……」


「そうね。おかしいわねぇ」


森本先生はそう言って首を傾げた。


保健室の10人。


それに先生や生徒だってまだまだ校内に残っていたはずだ。


みんなどこへ行ってしまったんだろう?


もし感染していない生徒がいれば体育館へ呼べばいいし、先生には力になってもらいたいのに……。


何も聞こえてこない静かな校内に、あたしと森本先生の足音だけが聞こえてきていたのだった。
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