派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~
 いやいや、と言いながら、渚は横に腰を下ろした。

「子供も可愛いだろうが。
 やっぱり、しばらくはお前と二人で暮らしたいかな、と思って」

「……ありがとうございます」

 蓮は微笑む。

 渚と暮らす日々が、ぼんやり頭に浮かんだ。

 だが、その映像は以前思い描いたときより、少し遠い。

「大丈夫だ、蓮」

 蓮の肩に手を置き、その額に額をぶつけて、渚は言った。

「全部俺に任せておけ。
 悪いようにはしない」

 そうですか?

 貴方の考えなしなところが、私は、とてもとても不安なんですが……。

 はは、と笑いながらも、
「ありがとうゴザイマス……」
と一応、礼を言っておいた。






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