愛し、愛されたのは優しい死神でした。

少し間を置いて溜め息混じりにこう言った。

「―ルナの母親じゃないの?」

声のトーンが低くなったかと思えば聞き慣れない単語を口に出した。
でもそのおかげでルナが何故閉じこもってしまっているのかが、はっきりした。
以前、彼女から直接聞いた事がある…。

「…ルナの心の闇の元凶って奴か…」

「…そうなの ?…あ、でも初めて会った日に言ってたよね。“ 私が居ると家族が笑わない ”だっけ?」

「……ぁあ」

あの時の目、そして先日見せた悲しい笑顔がリンクして胸を締め付けた。
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