愛し、愛されたのは優しい死神でした。


「…誰の許可を得て抱きついてんですか…?…岳君♪」

いつの間にか帰ってきていたのか私達の前には眉間にシワを寄せながら笑っている律さんの姿がある。


「あ…やばっ…てか殺意を感じる笑みだな…!!」

私には普通の笑みにしか見えないけど…どうやら岳には違って見えるみたい。
パッと体を離すと数メートル先のソファに腰を下ろし、しょんぼり顔を見せた。

「まったく…。また泣かせてどうする。…まるで永遠の別れみたいになってるじゃないかよ」

私達を見下ろしている律さんは心底呆れているみたいだった。私にとってはとても悲しくて辛くて……永遠の別れその物なのに…!
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