心に届く歌
「にしても、アンスが同じクラスなら、ドクが言った通り安心だわ」
「え?そうっすか?」
「だって何かあったらわたしに連絡出来るでしょ?」
「え?連絡してほしいの?」
「出来る限り事細かくお願いするわ。
シエルもスマホは持っているんだけど、慣れていないみたいで大変そうだから」
「……随分エルちゃん、シエルのこと過保護だな?」
「シエルは大事なお友達よ。心配するのは当たり前でしょ?」
お友達、と強制するエルちゃん。
なるほど。
エルちゃんにとってシエルは初めて出来た友達なんだ?
やけに嬉しそうなエルちゃん。
俺はふふっと笑った。
だってその顔は、友達を想う顔ではなかったから。