心に届く歌







「にしても、アンスが同じクラスなら、ドクが言った通り安心だわ」


「え?そうっすか?」


「だって何かあったらわたしに連絡出来るでしょ?」


「え?連絡してほしいの?」


「出来る限り事細かくお願いするわ。
シエルもスマホは持っているんだけど、慣れていないみたいで大変そうだから」


「……随分エルちゃん、シエルのこと過保護だな?」


「シエルは大事なお友達よ。心配するのは当たり前でしょ?」




お友達、と強制するエルちゃん。

なるほど。

エルちゃんにとってシエルは初めて出来た友達なんだ?





やけに嬉しそうなエルちゃん。

俺はふふっと笑った。

だってその顔は、友達を想う顔ではなかったから。






< 186 / 539 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop