約束のキミを。

ひとりぼっち

「ごめん。俺、そろそろ用があって帰らないといけなくて…。また来るから。」


和斗は、申し訳なさそうに荷物を片付けると病室から、出て行く。



「気にしないで、いつもありがとう。またね。」
私は、ニッコリと和斗に手を振った。














また、ひとりぼっちか…。



私の入院しているのは、大きな総合病院の小児科は4人部屋だ。

私の他に2人がこの部屋に入院している。 

私の隣のベットは、堀野 千奈ちゃん(ほりの ちな)。

4歳の女の子。喘息がひどく、入退院の繰り返しをしているけど、ほとんど病院にいることのほうが多い。


いつも、お気に入りのウサギの人形を持っていて、クリクリの目で、2つに結んだやわらかい茶色ぽい髪を揺らしながら、甘えてきてくれる。笑った顔は、あまーいマシュマロみたいなそんな雰囲気。小さくてかわいくて、

私の本当の妹みたいな存在。




そして、私の斜め前のベットには、大門 勝くん(だいもん まさる)。同い年の男の子。

入院してきて、2週間が経つけど、和斗と同じくらい身長が高いけど、和斗よりも威圧感を感じさせるようなオーラがあった。
しかも、高校生だというのにいつも耳には銀色のピアスが光っている。
整った顔立ちだけど、表情がない。

冷たい目をしていて、無口で、ちょっと乱暴で、何を考えてるのかわからない…。クールという言葉のよく似合う感じた。だから怖くてまともに話せていない。








今、二人は検査でいない。



この広い病室で、ポツンと一人になると、何度もこんなことあったはずなのに寂しい気持ちになる。




でも、私は、本当の意味でずっとずっと一人なのだと思う。
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