FEEL《上》
「いや、必要ないね…、
俺達の邪魔にはならないよ。」




爽やかな笑顔を貼り付け、俺を見る。




『ならいい……だが、興味あるな…。』


「な…なんで?」


『族じゃねぇのに彼奴に声かけられるとか、興味が湧くじゃねぇか。』


「あー…確かに。見に行くか?」




俺はまた報告してきた奴の左側に視線を移す。


彼はため息をついてから言った。




「わかったよ、でも条件がある。見るだけで、絶対に手は出すな。」


『あぁ、見るだけだな。』


「近づくのも禁止。だいたいお前はあまり此処から離れちゃいけないんだ。」


『わかってる。』


「はぁ…絶対わかってないね。」


『ちゃんと理解してる。』




俺は微笑を浮かべる。

それを見た2人の男は固まった。

それは、背筋が凍るほどの冷たい笑みだった。




サチside end.
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