地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜




「一つ聞きたいんだけど、何で山岡主任なわけ?既婚者好きになっても先の未来なんてないだろ?」


な、何!?いつもそんな口調で喋らない彼の豹変ぶりに驚きを隠せない。


「二人の関係はキスをしてるのを見る前から気付いてた。それに俺から見れば玲美さんは山岡主任に依存してるようにも見える。そこまで好きになる理由は何?もしかして初めての男だったとか?」


「……」


笹山くんの言葉に何も言えずに俯いた。


「へぇ、図星なんだ?じゃあ山岡主任しか男を知らないんだろ?」


そう言って笹山くんは私との距離を縮めてくる。


「玲美さんさ、依存してるって自覚してる?依存するほど好きになるのは、俺だけにしてよ」


「えっ……?な、何言っ」


そう言いかけたら笹山くんが突然キスをしてきた。
普段は大人しめで、地味な彼にあんな事言われてキスまでされるなんて……。


それにキスまでされて私はイライラして笹山くんの体を押して離れた。


「私は年下なんて興味ないんだからっ!勝手な事を言わないで」


「じゃあ興味のない俺の事を、依存するほど好きにさせてやるよ」


そう言った笹山くんは何事もなかったように会議室を出て行った。


な、何なのよっ!


絶対に好きになんてならないんだから!




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