地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜



時刻は十七時を過ぎた。
私はまだ画像を撮り込む作業は出来ていない。


最後の出荷をパソコンで出す前に、明日に商品を持って行くからと、特売と定番商品を笹山くんに入力して出すように頼まれた。


パートの人も時間になり、配送の人も少く、私が出荷作業をする事になった。


出荷の追加はギリギリで、笹山くんは山田さんに怒られていたが、得意先に頼まれたらある商品だけでも持って行かなくちゃならない。


怒るって言っても山田さんもわかってくれてるんだけど、時間が時間だから怒られたのだ。


少しだけザマァ見ろって思ったけど、倉庫での出荷は久しぶりで息抜きになったが、自分の仕事がまだ残っている事に途中で気づいた。
だけど残業をするって約束した以上はやらなければならない。
帰りは何時になるのかな……。


出荷作業も終わり、私はオフィスに戻ると、山岡主任が戻ってきていて、山梨さんと話していた。


「山岡主任、今日は色々と大変だったんですからね?」


「ごめんね?プリン買ってきたからこれで許して」


「あっ、プリンだぁ!仕方ないから許してあげます」


そんな楽しそうな会話が聞こえてきた。
前はこっそりメーカーにもらったったお菓子をくれたり、私の好きなケーキを冷蔵庫に入れてくれてたりしたけど、最近は私にはそんな事してくれないもんね。


私は自分の机に置いてある商品リストを手に持って、新商品のサンプルを会議室に取りに行った。


てか何この数は……。


新商品の画像以外にも、定番商品の画像が無かったら倉庫に行って商品の画像をパソコンに撮り込まなきゃいけない。
私はこの作業が一番嫌いだ。




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