地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜



暫くすると山岡主任がやってきた。


「久しぶりに来るな玲美の家」


「だって暫く会えなかったし、仕事がお互いに忙しかったからね」


「そうだな。係長もリニューアルオープンあるみたいだし、俺も棚替えしたいから棚割り作ってくれって頼まれてるし、その次の週は出張も行かなきゃならないからな。あんまり会えなくて、寂しい思いや辛い思いさせてごめんな?」


そう言って山岡主任は私の頭を撫でた。


その言葉で私はあまり会えなくても我慢が出来るし、やっぱり好きって思う。


だから離れられないし、離れる理由が見つからない。


「もうすぐお昼だけど何か食べる?」


「そう言えば腹減ったかも」


「じゃあ今から作るからテレビでも見てて」


そう言って私はキッチンに行くと、パスタを作ることにした。


二人で昼食を食べて片付けていたけど、さっきからラインの着信が山岡主任のスマホから聞こえる。


奥さんかな?なんて思ったけど、いつもはあんまりラインなんてしてなかったのになんて思ったけど、気にしないようにしていた。


洗い物が終わり、二人でソファーに座ってテレビを見ていた。


「玲美……」


急に名前を呼ばれて山岡主任の方を見ると、そのまま顔が近づいてきてキスをされた。


そこままソファーに押し倒されると、キスをしていた唇は首筋に移動し、服の中に手を忍ばせてきた。


私はそのまま抱かた。


行為が終わると山岡主任と一緒にシャワーを浴びて、着換え終わってリビングに行くと、スマホを手に取った山岡主任は言った。


「ごめん玲美。嫁が予定より早く帰ってくるみたいで今すぐ帰らなきゃいけなくなったんだ」


「そっか……仕方ないよね」


「ごめんな?」


そう言ってキスをするとそのまま帰って行った。


山岡主任に久しぶりに抱かれて、やっぱり好きだって思った。


だけど……


何故かキスが物足りなくて、一瞬だけど笹山くんの顔が浮かんでしまった。


最近は笹山くんとキスをしていたからなのか、山岡主任とのキスは短くて、唇よりも体を求められてるような気がした。




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