ブラッド
 相方が軽く息をつく。


 俺たちはヤバいヤマを引き当てた。
 

 半島の人間絡みの犯罪など、悪いに決まってるじゃないか!


 どうやら、警察が一杯食わされそうだ。


 いろいろと事情が重なって。


 だが、俺にはある意味、楽観論もある。


 この大きなヤマを乗り越えれば、また展望が開けてくると。


 一週明け、新たな週の金曜も捜査に出る。


 伊里町運転のタクシーで。


 お互い息は合っていた。


 同じ捜査員同士で。


 下古毛が楠村と繋がり、警察組織を汚染していた事実は許しがたい。


 下手すると、殺人よりも性質が悪い。


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