ブラッド
 何せ、改造銃本体や付属品である弾丸の入手など、海外からしかない。


 銃器の密輸は暴力団か、警察でも取り締まる部署である組対しかない。


 おまけに銃器自体、密輸すれば、格好のマネーロンダリングの対象となるのだし……。


 キナ臭い。


 それに警視庁組対部長の楠村大三の影があると、尚更だ。


 警察の信用を失いかねない。


 心からそう思える。


 だが、県警内でも下古毛以外に、悪事を働いた輩はいるだろう。


 伊里町が、


「佐山、ずっと捜査続いているけど、無理するなよ」


 と言ってきた。


「伊里町さんもお疲れでしょう?」


「ああ、まあな。……でもな、人間社会って闇だらけだ。生きてていつも思う」
< 99 / 349 >

この作品をシェア

pagetop