ブラッド
第23章
     23
 その日も一日、G市内を中心に回ったが、篠原も羽野も下古毛も見つからなかった。


 確かに警察は相当な労を取っている。


 毎日、事件を追うのだが、相変わらず手がかりなしだ。


 日々完全燃焼して、所轄の捜査本部へ戻る。


 帳場にはデカたちがいた。


 一課の人間を中心に、暴対や組対などの刑事が詰めている。


 捜査報告書の提出など、事務作業を済ませれば、すぐに署を出た。


 そして自宅マンションまで歩く。


 毎日大変だった。


 捜査に出れば、きつくて疲れてしまい、自宅では寝るだけだ。


 膠着状態が続く。


 今のところ、従流会の人間たちは警察に対し、手出ししてこなかった。
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