ブラッド
 暴力団はあちこちで悪いことをして回る輩なので、警察官も引いてしまう。


 届いた蕎麦を啜り、食事を取った後、伊里町が、


「佐山、今はお前が俺の相方だから、危ない橋渡るのも一緒だぞ」


 と言ってきた。


「ええ」


 端的に一言返し、息をつく。


 そして店内を見渡した後、


「行きましょう」


 と言った。


 伊里町が頷き、立ち上がる。


 その日の午後2時過ぎに、俺たちは所轄の捜査本部へと戻った。


 帳場内はいろんな刑事たちが入り乱れていて、落ち着かなかったが、殺しに暴力団捜査ということで、一課や所轄の刑事課のデカと、G県警のマル暴も数名いる。
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