ブラッド
 刑事として、しっかり仕事をしていても、何かしらいろいろあった。


 伊里町もきっと何かあるだろう。


 あの男は常に無表情で、刑事ドラマに出てくる警官のようだ。


 午前8時前に帳場に着き、パソコンで事務作業を行う。


 一課、暴対、組対と多数のデカが揃っている。


 水面下ではすでに動き出しているものと思えた。


 互いの思惑とは裏腹に。


 キーを叩きながら、作業をこなす。


 午前9時過ぎに、相方がやってきた。


 スーツ姿で。


 そして、いきなり、


「佐山、行くぞ!」


 と言ってきた。
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