ブラッド
「……あっ、はい」


 慌てて一言返し、デスクから立ち上がって歩き出す。


 考えることがあっても、捜査の際はそれを脇に置いて、職務をこなすのが筋だ。


 常にそう思っていた。


 もちろん、100パーセント完璧にやれるわけじゃないのだが……。


 伊里町愛用のタクシーに乗り込み、街を走り始める。


 日々捜査疲れだ。


 だが、暢気なことを言ってられない。


 まあ、やれるだけやろうと感じている。


 いずれ警察が一致結束して動けば、三人の犯罪者は無論、従流会自体叩き潰せるのだ。


 簡単なことである。


 難しいようで。


 警察は常に戦力を持っていた。
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