ブラッド
 本来なら、冷える朝はゆっくり寝ていたい。


 事件捜査があるから、あえて起き出す。


 帳場でパソコンを立ち上げて向かい、キーを叩く。


 伊里町が来るまで待った。


 午前9時過ぎに相方が来たので、共に捜査に出る。


 途中でJ県警捜査一課の山岡や飯尾と合流する手筈だ。


 体はまだだるい。


 それに辺りは極度に冷え込む。


 タクシーの中は男性用のデオドラントの香りが仄かに漂う。


 伊里町が付けている香水は一際強い。


 夏などは強烈に香る。


 G県からJ県へと行き、山の中を走った。


 山間部は一際寒さが増す。
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