ブラッド
 朝から外回りに出る。


 疲れた体を奮起させて。


 伊里町運転のタクシーは、G県内の道路を走っていく。


 J県との県境で山岡たちと合流し、そのまま走った。


 確かにいつ終わるか、分からない事件捜査だ。


 ヤツらを逮捕するか、処理するまで。


 気が遠くなる。


 だが、思っていた。


 きっといつか終わるだろうと。


 見通しは厳しいのだが……。


 冬の寒さは、慣れていても身に沁みる。


 疲労をもたらす。


 J県内の道路を走りながら、感じる。
< 206 / 349 >

この作品をシェア

pagetop