ブラッド
 明らかに警察には不利な感じだ。


 篠原や羽野、それに下古毛など、犯罪者たちは逃げ回る。


 銃は常に手入れしていた。


 いざとなれば撃つ。


 あくまで殺人事件の捜査だから、やるしかない。


 決意を固めていた。


 その日も朝から伊里町がタクシーを運転し、俺は助手席に乗り込む。


 県内を走りながら、苦痛を感じていた。


 だが、つい先日、警視庁組対部の楠村大三が警視庁の警官に同行されている。


 ヤツは、長年下古毛など、地方の組対の警官と繋がっていたことを認めたのである。


 そして取調べでも自供したようだった。


 これで下古毛が捕まれば、銃器類のマネーロンダリング疑惑の方は落着だ。


 思う。

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