ブラッド
 警察と暴力団の闘争が絡んだ今回の殺人事件も、警察が勝つと。


 マルBの抵抗など、無駄なのだ。


 その日も午前9時を回る頃から、伊里町と外回りに出る。


 体が重い。
 

 だが、やるしかない。


 そう思い、相方運転の覆面車であるタクシーに乗り込み、街を走る。


 別に変わったことはない。


 ただ、寒さが幾分和らいでいる。


 それだけでも救いだった。


 冬の寒気は捜査を妨げるので。


 歩み続ける。


 日々ずっと。


 もちろん、何かと辛いのだが……。



< 275 / 349 >

この作品をシェア

pagetop