ブラッド
 納得いかない。


 そう思いながらも、考えることはたくさんある。


 それまで全く姿を現さなかった殺人犯が目の前で、突如爆死したのだから……。


 自決に使った爆弾は、鑑識の調べにより、手製のプラスチック爆弾だと判明した。


 おそらくこんな最後を考えていたのだろう。


 篠原にしても、羽野にしても。


 まあ、自殺などということが、人間にとっては本来的に許されないことだったが……。


 捜査本部は、捜査の焦点を下古毛に切り替えて動く。


 何かと捜査しにくいヤマになってしまったのだけれど……。


 街は曇っていたが、午後から通常通り外回りに出かけた。


 伊里町運転の覆面車で。





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