ブラッド
第63章
     63
 連日、昼間は外回りに出る。


 伊里町と共に。


 相方はずっと愛用のタクシーを運転している。


 疲れているだろう。


 察するところがあった。


 そして2月も終わり、3月になる。


 その週の木曜も、朝からずっと下古毛を捜索していた。


 段野隼人との共謀による、三宅元警部補殺害容疑で。


 確かにヤツは逃げ続けている。


 俺たちも必死だった。


 追い続ける。


 焦りがあった。

 
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