ブラッド
第66章
     66
 毎日、昼間は外回りが続く。


 心身ともに疲労していた。


 だが、捜査を任された以上、やるしかない。


 それに県警の上の人間たちは、G県警組対課の元刑事だった下古毛充を危険視している。


 ヤツも銃の一丁ぐらい所持しているだろう。


 段野隼人を使い、三宅元警部補を撃たせた男だ。


 思う。


 警官による警官殺しが間違いなく実行され、ホシは逃亡したと。


 いくら殺人教唆罪と逃亡罪の二つの罪のみが適用されるにしても、下古毛は十分実刑になる。


 俺も伊里町も、ホシを捜し続けた。


 また時が流れ、週が一つ明けて、土曜になる。


 朝、自宅マンションで上下ともスーツに着替えて、コーヒーを一杯淹れた。
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