ブラッド
 飲んだ後、朝食を取る。


 食欲はあまりない。


 だが、事件捜査に出る以上、食事を取る時間が不規則になる。


 だから、あえて食べていた。


 極軽く。


 マンションを出て、署に行き、捜査本部のデスクでパソコンに向かう。


 事務作業は毎日やっている。


 IT機器を使い続けると、腕や腰が痛むのだが、仕方ない。


 伊里町を待つ。


 午前9時前に、相方が来た。


 合流し、署付属の駐車場へと歩き出す。


 伊里町が愛車のタクシーの運転席側のドアを開け、シートに座り、エンジンを掛けた。


 俺が助手席に乗ったのを確認し、アクセルを踏み込む。
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