ブラッド
 伊里町が食事後、買っていたコーヒーを飲みながら、


「今、下古毛はG県にいるのかな?」


 と言ってきたので、俺も困惑し、


「帰巣してると思いますけどね」


 と返す。


「佐山、銃持ってるな?」


「ええ」


「武装しとけよ。下古毛も三宅元警部補を撃たせた人間だ。……拳銃の一丁ぐらい普通
に持ってるだろ」


「分かります。その心理」


 頷き、腰回りに付けていたフォルスターから、銃を取り出す。


 弾丸は装填済みだった。


 元の位置へと戻し、スマホのGPSに見入る。

 
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