ブラッド
 互いに言葉のやり取りをし、屋外へと歩き出す。


 署付属の駐車場には、相方愛用の覆面車であるタクシーが停まっている。


 乗り込み、走り出した。
 

 朝のG県内は慌ただしい。


 特に街の中心部は。


 伊里町がハンドルを握る。


 車はスピードを上げて、走り続けた。


 助手席でスマホのGPSを見ながら、位置情報を確認し、合間に前方を見る。


 果たして下古毛はどこにいるのか?


 分からない。


 だが、俺たちデカにとっては、事件のホシを挙げるのが仕事だ。


 絶えず動き続ける。


 捜査は長引いていた。
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