ブラッド
 捜査会議は開かれている。


 残りのマル対は下古毛充だけとなった。


 一課の捜査員は、常に身構えている。


 必ずヤツを捕まえると。


 元組対の警官が、殺人教唆罪で追われるのは異例だ。


 だが、これも捜査の一環である。


 ホシを仕留めるまでは、油断ならない。


 そう思っていた。


 午前9時を回る。


「おはよう、佐山」


「ああ、伊里町さん。おはようございます」


「出るぞ。捜査に」


「ええ、行きましょう」
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