ブラッド
 毎晩軽く寝酒を飲むのだが、熟睡できてない。


 思う。


 不健康だと。


 この殺人事件の捜査が終われば、また日常が舞い戻るだろう。


 そう考えていた。


 いつ終わるか分からない事件捜査も、いつか終わる。


 身が持つかどうか、分からないのだが……。


 その日も午前9時過ぎには署内で相方と合流し、駐車場を出発した。


 伊里町運転の覆面車タクシーが走り出す。


 G県内を。


 どこにホシがいるのか、分からない。


 だが、捜し続ける。


 湾岸倉庫前を通ると、はっきり見覚えのある人間が見えた。
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